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不当解雇・・・でも職場復帰はしたくない!

「4年2ヶ月勤務した会社を解雇されました。」
7月上旬の梅雨の蒸し暑い日に届いた、50歳の女性の相談者、田中(仮名)からのメールの書き出しである。メール
には、解雇されたのに雇用保険の離職票では自己都合退職として処理されていたこと、会社内でモラルハラスメントが
あったこと、弁護士に相談に行ったこと、損害賠償・慰謝料を請求したいといったことが、綴られていた。

田中がその会社に就職したきっかけは、自宅から程近い会社であったこと、正社員の募集であったこと、給料が20万
円以上あったことである。田中には都市銀行に勤務する夫と、大学に通う息子と娘がいた。生活に不自由はなかった
が、息子と娘が続けて大学へ進学してからは、少しでも家計の支えになればと勤めに出るようになった。

会社は従業員が50人程度の中規模の会社で、工場用機械の部品を製造していた。
あまり大きくはない会社だが、ドイツ製の最先端の機械を導入するなど、技術力に定評があった。顧客は専ら製造業
社で、それこそ北は北海道から南は九州まで多くの製造業社に製品を納入していた。会社は毎年、会社負担で全従業
員を1泊旅行に連れて行っていた。

縁無しのめがねが似合う田中は、納品係として仕事をそつなくこなし、社長から信頼を得て、雇い入れられて3年目に
は納品係の主任を任せられるまでになっていた。

田中は主任という立場から、中途採用の新入社員の教育係も担当していた。忙しい会社の中で、田中は自分の仕事を
こなしつつ、新入社員に仕事を教え込むのは大変だった。それでも田中は充実していた。自分が指導した新入社員た
ちが会社を辞めずに、楽しそうに出勤してくるのが嬉しかった。しかし、大田(仮名)という女性が入社してからは、変わ
った。

「大田は物覚えが悪いというか、要領が悪かったんです。でも、それ自体は別に問題ではなかった。だって、そういった
新入社員は以前にもいましたし。結局は私との相性が悪かったのでしょうか。」

田中は中途で採用された大田の指導を任されていた。大田は物覚えが悪く、同じことを何度言っても上手く覚えられな
かった。田中はそんな大田に対して勤めて冷静に粘り強く指導した。しかし、会社は忙しく残業続きの毎日、自分の仕
事をこなしながら大田を指導しなければならない、田中の言葉が少々きつくなることもあったのだろう。次第に大田の田
中に対する態度が反抗的になっていった。そしてあるとき・・・

「私は罵声を受けてから5分くらい、動悸が止まりませんでした。パソコンの前に座ったまま、マウスを握った手が震え
て・・・」

大田は田中に向かって、「あんたの言うことは分からないのよ、バカじゃないの」罵詈雑言を吐いたのだ。

その日以降田中に対する大田の悪態は悪くなるばかりだった。田中は上司の係長を通して大田の言動を止めさせるよ
うに社長に要望した。大田の配置を換えてほしいとも要望した。しかし、社長は大田を注意することもなく配置換えもし
なかった。社長はいつも「2人とも仲良くせないかん」としか言わなかった。

大田の田中に対する態度は悪くなる一方で、田中は大田に対する指導はおろか、自分の本来の業務にも集中できなく
なっていった。

「このままでは体が持ちません。何とかしてください。」

田中は社長に直談判した。社長はようやく重い腰を上げて、田中と大田を社長室に呼んだ。
「2人とも、今度何か問題を起こしたら、どっちか一方、もしかしたら2人とも、会社を辞めてもらうからな」
田中は、「私が被害者なのに、今度何かあったら私が辞めることになるかもしれないの」という腑に落ちない思いがよぎ
った。しかし、まさかその思いが現実になろうとは。

大田の田中に対する悪態はその後も一向に納まらなかった。そんなある日、田中の義父が他界した。知らせを受けた
のは、梅雨の雨がしとしと降り止まぬ朝。その日一日は仕事をして、次の日の土曜日に夫の実家に帰ることにした。義
理の父とはいえ、折に触れ田中を気にかけてくれた父の死だったので、その日は義父の顔が浮かんでは消え、消えて
は浮かぶ一日だった。時計の針が進まない一日の仕事を何とか終えて、次の日、夫の郷里に向かった。

月曜日は休みをもらって火曜日に出勤すると、係長から「昨日は大変だった」という話を聞いた。金曜日に出荷した得
意先への部品の納品数が不足していたらしいのだ。その納品チェックをしたのが田中だった。

午後に、田中は社長室に呼ばれた。

「田中さん、申し訳ないけど、今日か今週で会社を辞めてもらいたいんやけど。あんたのミスした取引先、前にも同じよ
うな間違いがあって、あの時はあんたのせいではなかったけど、二度と間違えんようにと注意しとったはずや。昨日、営
業と私とで、その会社に謝りに行ってきた。それと、大田さんとあんたの仲の悪いのが社内でも問題になっていて、他
の従業員から何とかしてほしいと、何度か言われてて。だから、ホント、申し訳ないけど・・・」

田中は、まさかそんなことを言われるとは思いもよらなかったので、頭が真っ白になった。
7月のボーナス支給日まで1ヶ月を切っていた。

それからの田中は、最寄の労働基準監督署へ相談に行ったり、弁護士へ相談に行ったり、解雇に関する本を読んだり
して、自分の受けた解雇はどう考えてもおかしいと思うようになった。不当解雇ではないか?

田中は不当解雇を泣き寝入りせずに解決することを決めた。

「ただし、会社には復帰したくないし、大きな会社ではないので、復帰は無理です。」

不当解雇は、会社が行った解雇が、権利の濫用や公序良俗に違反し、無効と判断される場合の解雇のことであるが、
法的に見ると解雇無効の解決は職場復帰が理論上の帰結となる。しかし、実際においては、一旦労働者が解雇される
と、解雇無効であったとしても、職場復帰は難しい。なぜなら、会社からの解雇通告によって、その被解雇者と会社、特
に社長や上司との間の信頼関係が崩壊し、被解雇者は社長や上司への嫌悪の念に支配されることも多い。会社とし
ても解雇の非を認め、その被解雇者を職場復帰させ再び業務を命じるのは面子の面からもかなり無理がある。結局、
被解雇者の職場復帰後の職場環境に期待が持てない。
そこで、会社と被解雇者の双方の利害に着目すれば、合理的な解決は、職場復帰ではなく、双方の間の労働契約を
終了させ、その代わりに、会社から被解雇者に対して一定額の金銭を支払うということになる。これが解雇に係る紛争
で最も現実的解決であり、多くの被解雇者と会社の双方にとって都合よい解決なのである。

田中は、まず解雇無効の主張と解決金の支払いを求める文書を作成し内容証明郵便で会社に送った。
その後会社の代理人弁護士から回答があり、その弁護士と話合いを行うことになった。
話し合いの中で、労働契約の終了とその代わりの解決金の支払いについては双方異議がなかったが、解決金額での
溝が埋まらなかった。
結局、弁護士との直接の話し合いでは田中の希望する解決金額での折り合いがつかなかったので、田中は当事者同
士での直接の話し合いによる解決を諦め、労働局のあっせんで解決を図ることにした。

労働局のあっせん期日、その日の朝はその秋一番の冷え込みで、空気がピンと張って肌に刺さった。
田中は、あっせん委員の質問に対して丁寧に言葉を選んで答えた。途中、会社での出来事が浮かんだのか、田中は
涙がこぼれた。
会社は代理人の弁護士が一人で来ていた。
あっせん委員は、経緯からして解雇無効であろうとの認識を示した上で、会社の弁護士に対して粘り強く説得し、最終
的に和解が成立した。

和解内容は
会社は、解雇を撤回し、会社都合の合意退職とすること。
会社は田中に解決金として金135万円(約6か月分の賃金相当)を支払うこと。

あっせんの後、田中は、「会社都合の合意退職になったので、給付制限無しで雇用保険の基本手当を180日受けるこ
とができますから、ゆっくり再就職先を探します」と言って、深々と頭を下げて地下鉄の駅の階段を下って行った。


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