|
無料労働相談会開催 詳しくは>>お知らせのnで
個別労働関係紛争解決促進法に基づいて、労働条件その他労働関係に関する事項につい
て自主的には解決を図れないような紛争について、迅速かつ柔軟な解決を促進するために、
都道府県労働局に設置された紛争調整委員会からなるあっせん委員の仲裁の下、双方の互 譲の精神に基づくよる合意を通じて、個別の労使間の紛争の解決を図る制度です。
労働者個人と会社との労働条件やその他労働に関する事項ついての争いのことであり、具
体的には以下のような紛争があります。
1.労働条件に関する紛争・・・解雇,雇止め,配置転換,出向,就業規則の変更による労働条件
の不利益変更,賃金の引き下げ,労働条件に関わる差別的取扱い等
2.就業環境に関する紛争・・・セクシャルハラスメント,いじめ等
3.就業環境に関する紛争・・・企業合併などによる労働契約の承継,競業避止特約等
4.募集・採用に関する紛争・・・差別的採用,内定取り消し等
5.その他広範な紛争・・・賃金不払い,解雇予告手当,労働・社会保険の手続き怠慢に関する
損害賠償,雇用保障期間に関わる賃金補償,退職による研修費等の
返還等
この制度を利用する利点としては、裁判制度を利用する場合と比較して主に次のような利点が
あります。
1.迅速・・・裁判で判決を得る場合には約8ヶ月から1年、控訴した場合には更に1年、合計で
約2年ほどの期 間を要します。対して、労働局のあっせん制度は申請からあっせん
期日まで約1ヵ月半程度、あっせん案の受け入れまでも含めても約2ヶ月程度で解
決します。
2.低廉・・・労働局のあっせん制度は申請料0円、つまり申請に要する費用はかかりません。
3.後に尾を引かない・・・あっせん制度はあくまで当事者の合意による解決制度ですから、
裁判の判決のように白黒をつけるわけではなく、したがって勝ち負けという概念が
ありません。後に遺恨を残しません。
4.個人の労働者との話し合い・・・事業主にとっては労働組合との団体交渉ではなく、あくま
でも個人労働者との話し合いですので、精神的肉体的負荷が相対的に小さくて済
みます。
5.以上の理由により・・・あっせん制度は敷居が高くなく、個人労働者・事業主双方に利用しや
すい制度といえます。
この制度は、あっせん委員の調整の下、当事者の自主的合意を前提とした個別的労使紛争
解決制度ですから、一方の当事者が、あっせんの参加を拒否したり、あっせんに参加したとし ても、あっせん案の受け入れを拒否したりすると、あっせん不調となり打ち切りとなります。
また、解決に至った場合の合意の内容は民事上の和解ですから、裁判上の和解と異なり、
当事者の債務不履行の場合に裁判所に強制執行を申立て、強制的に利益を実現することが できません。
1.あっせんの当事者からあっせんの申請があると、労働局の総務部企画室で申請内容があ
っせんにふさわしいかどうか検討され、ふさわしいと判断されれば、都道府県紛争調整委員会
にあっせんを行わせること通知しあっせん手続きが開始 されます。
2.手続きの開始は申請人(申請を行った当事者)および被申請人(一方の当事者)に通知さ
れます。
3.被申請人があっせんに参加しない旨を表示するとあっせんは打ち切りとなります。
4.被申請人があっせんに参加する旨の返事を労働局に行うと、あっせん期日が指定されま
す。
5.社会保険労務士にあっせんを代理させる場合にはあっせん期日の概ね1週間前までに代
理人許可申請を行います。
6.期日には1名のあっせん委員が申請人、被申請人の言い分を交互に聴取します。
7.あっせん委員は申請人、被申請人の言い分を聞いた上であっせん可能と判断した場合に
は、法律上の問題や裁判に至った場合の予想される判決等を勘案して、申請人、 被申請人
の互譲に期待してあっせん案の内容を申請人、被申請人に告げます。
8.申請人、被申請人があっせん案を受け入れればあっせん成立、和解となります。申請人、
被申請人のどちらか一方或いは双方があっせん案の受け入れを拒否した場合には、あっせん
不調、打ち切りとなります。
申請を行う場合には、あっせん申請書を作成して労働局に提出する必要があります。
申請書には、申請人、被申請人の氏名(会社名)住所などの他、あっせんを求める事項とそ
の理由を明記しなければなりません。
あっせんを求める事項とその理由については、申請書に添付の陳述書として具体的にあっ
せんを求める趣旨、その原因、事実関係、違法性、主張内容の正当性等を論理的に記述する 必要があります。
必要があれば、疎明資料、証明資料を調整し陳述書に添付することも重要になってきます。
あっせんは期日一回です。到底一回の期日であっせん委員の心証を形成することはできま
せん。事前にあっせん委員の心証をある程度形成し、申請人の意図する解決になるべく近い あっせん案を提示してもらえるようにするには、あっせん申請書・陳述書を充実することがきわ めて重要になってくるのです。
この制度では特定社会保険労務士や弁護士が当事者を代理することが認められています。
この代理人は、紛争の当事者に代わって、あっせんに係る事務手続きから、陳述書の作成、 証拠・疎明資料の調整、あっせん期日の意見陳述の代理、等を行うことができます。
あっせん制度は基本的に個人でも利用しやすい制度です。裁判制度と比較して、それはなお
さらのことです。しかし、より正確に迅速に、そして当事者が認識していない当事者に帰す利益
を特定社会保険労務士等の代理人は、専門家として当事者に提供できます。
つまり、
煩わし事務手続き
証拠・疎明資料の調整、陳述書の作成
あっせん期日の意見陳述、
などから開放されます。
個別的労使紛争は都道府県労働局の紛争調整委員会によるあっせん制度を利用すること
によって迅速に解決を図ることができます。
制度を利用するにはあっせん申請書を提出しなければなりません。あっせん申請書は、紛争
当事者に関する事項、あっせんを求める事項およびその理由、紛争の経過、その他参考とな
る事項、という項目からなっています。
あっせんは原則期日1回限りです。訴訟のように口頭弁論期日ごとに準備書面をその都度
準備して、自らに有利な結果に導くという事はできません。
期日1回限りのあっせんであっせん委員の心証を得る為には事前に提出するあっせん申請
書の内容、特にあっせんを求める事項およびその理由を、充実させておくことが非常に重要に なってきます。
そのためには、あっせん申請書の提出だけでは不十分です。
あっせんを求める事項およびその理由については、別途陳述書を以って、詳しく記述するこ
とが必要となってきます。
この陳述書は万が一あっせんが不調に終わり打ち切られた場合に、紛争解決交渉の代替
的手段としての、司法上の解決制度である、労働審判の申立書や通常訴訟の訴状の基礎と なるものです。
従って、労働審判の申立書や訴訟の訴状の内容に準じた記述方法にしておく必要がありま
す。
陳述書は自らの主張の正当性を、縷々述べるものです。ですからその主張の正当性を根拠
付ける資料、裁判の場合でいう証拠を、適宜必要に応じて調整し陳述書に添付しなければなり ません。
もちろん、あっせんは裁判ではありませんから、裁判で求められるような証拠を準備する必
要はありません。
しかし、真実たる事実こそ、動かしようのないものはありません。
そして、真実にこそ人としての情も働く。
陳述書はこのような条件を満たすものでなければならない、そう考えます。
無断転載・複製禁止 社会保険労務士おくむらおふぃす
|