パワハラ
パワー・ハラスメント
パワー・ハラスメント(パワハラ)とはクオレ・シー・キューブ代表 岡田康子氏によれば、「職
権などのパワーを背景にして、本来の業務の範疇を超え、継続的に人格と尊厳を侵害する
言動を行い、就業者の働く環境を悪化させる、あるいは雇用不安を与えること」と定義されま
す。
また、弁護士の水谷英夫氏はその著書※で、「いじめ」とは・・・同一集団内で、力関係にお
いて優位にある者が、自分より劣位にある者に対し、主観的客観的にかかわりなく、一方的
に、一時的若しくは継続的に、身体的・肉体的・社会的苦痛を与えること・・・であり、この「い
じめ」が「職場」という「同一集団内」においておこる場合を「職場内における『いじめ』」と定義
しています。
(※水谷 英夫著 「職場のいじめ−「パワハラ」と法−」 信山社 16n参照)
パワハラ的言動
具体的には、「お前バカか。会社なんか辞めてしまえ」といった、業務に関する指導の域を
超えた言葉や、容姿に関する中傷的言葉等罵詈雑言を不必要に言い続けられる場合があり
ます。
また、業務に関連して、指導の域を超えた暴力行為もパワハラです。
その他、窓際に机を追いやるなどして仕事を与えられなかったり、意味も無く仲間はずれに
して、業務の必要事項を伝達されなかったり等の行為もパワハラと言えます。
暴力行為によるパワハラは、勿論刑法上の暴行罪や怪我をした場合には傷害罪に該当し
ますし、罵詈雑言を不必要に継続して受け続けることによって心身に支障をきたした場合に
も刑法上の傷害罪に該当する可能性があります。
パワハラか否かの判断基準
そもそも、人間には個人差がありますから、対人からの言葉や態度によって、受ける精神
的肉体的状態は個々によって異なるものです。
ですから、パワハラかどうかを判断するに当たっては、まず、職場内において、上司等の言
葉や態度から、当事者が主観的に肉体的、精神的、社会的に一時的または継続的に苦痛を
受けたと感じているのであれば、パワハラの可能性があるといえます。
そして、客観的に見て職場の上司等の言葉や行為が当事者にに苦痛を与えたと具体的に
評価できる事実や状態であれば、パワハラだと評価できるものと考えられます。
なお、詳しくはセクハラのページの「セクハラか否かの判断基準」を参考にしてセクハラをパ
ワハラと置き換えてみて判断してください⇒セクハラ。
損害賠償
パワハラを受けたことにより、治療費や入院・通院費、逸失賃金などの財産的損害や、精
神的苦痛が発生した場合には、これら損害の賠償を求めることができます。
パワハラを原因とする損害賠償請求は、民法第709条に基づく不法行為を要件とする損
害賠償請求と、民法第415条に基づく事業主の安全配慮義務違反に該当する事実を債務
不履行の要件とする損害賠償請求とが考えられます。
民法第709条の不法行為の要件は「故意または過失によって他人の権利または法律上保
護される利益を侵害した」ことであり、パワハラの場合には、上司等の言動により健康で生活
する権利や人格に係る権利が侵害され、治療費等の積極的財産や休職または退職しなけれ
ば得られたであろう賃金等の消極的財産などの損害、そして民法第710条に基づく精神的
な損害の発生が考えられ、これら損害の賠償を、不法行為の当事者たるパワハラを行った
上司等や、民法第715条に基づいて、上司等を使用する事業主(法人の場合は会社そのも
の。以下同じ。)に対して求めることができます。
民法第709条に基づく損害賠償請求は、パワハラの事実とパワハラと損害との因果関係
について、これを請求する者が立証する必要があります。
民法第415条に基づく損害賠償請求の要件は「債務者が債務の本旨に従った履行をしな
いとき、・・・これによって生じた損害」です。
使用者は労働者と労働契約を締結すると、労働者を指揮命令して業務に従事させる権利と
業務に従事させた後に賃金を支払う義務(賃金債務)が発生します。そして使用者は労働契
約の主たる権利義務(労働に従事させることと賃金を支払うこと。)に付随する義務として、労
働者が業務に従事している最中(この要件の有無を業務遂行性といいます。)、或いは業務
に従事したことを原因(この要件の有無を業務起因性といいます。)として怪我を負ったり病
気に罹患したりしないように、安全で快適な職場環境を整備し維持する義務を負うことになり
ます。
労働者がパワハラを受けたために怪我をしたり、精神的に病を患ったりするということは、
結果として事業主が労働契約上の付随的義務である安全配慮義務を怠ったということになり
ます。これは民法第415条でいう、債務の本旨に従った履行をしないとき、つまり債務不履
行に当たり、これによって発生した労働者の財産的・精神的損害を賠償する義務を事業主は
負わなければなりません。
民法第415条に基づく損害賠償請求は、債務者の責めに帰すべき事由によって履行をす
ることができなくなったものではない、ということを債務者つまり事業主が立証できなければ、
会社は損害賠償責任を逃れられません。
パワハラによって生じた損害の賠償請求は、先ず、会社が安全配慮義務を怠ったを理由と
して民法第415条に基づき行い、予備的に民法第709条の不法行為を理由として使用者責
任を定めた第715条に基づいて行うのが一般的です。
パワハラを理由とする損害賠償請求は以上のように債務不履行、或いは不法行為を理由
として事業主に対して行うのが一般的であり、パワハラの当事者だけに損害賠償請求するこ
とは稀です(不法行為を理由とする損害賠償請求では会社とパワハラの当事者の双方に行
うことはあります)。
これは賠償能力は一般的には一個人よりも会社の方が資力に優れているからです。
労災
パワハラによって、心身に障害を受け病院等で治療を受けた場合には、労災認定されるこ
ともあります。
病院等で治療を受けた場合には、会社の最寄の労働基準監督署へ労災申請可能かどう
か、一度、相談してみてください。
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パワー・ハラスメント 相談 解決
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福岡県 社会保険労務士おくむらおふぃす
個別労働関係紛争解決コンサルタント
社会保険労務士おくむらおふぃす
特定社会保険労務士 奥村隆信
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